課題解決支援(経営・IT)への想い

―ITに関して考慮すべきこととは?―

 1990年代後半より、インターネット主流の時代となり、グローバルにもITを活用した仕組みが一挙に浸透してきました。とはいうものの、現在このITをどのように活用してよいか、当たり前に活用されてきているために、本当の意味でITの存在自体が見えにくい状態になっていることが否めません。それはIT自体が目的化してきていることに他なりません。本来、ITそのものは目的、目標に対する一つの有効な“手段”であるはずのところが誤った解釈の下、利用されているため、却って非効率になってきています。

 また、このようにITそのものが目的化して大量に世の中に出回ってしまったことから、仕組みそのものを複雑怪奇にしてしまい、ヒトはそれをひも解くことすらできなくなってしまいました。ちょっとしたトラブルが起きたときにもスキルをもって対処できる人が少なくなってきてしまい、木を見て森を見ず状態となってしまっています。

 したがって、今後のITの役割を見据えたとき、もう一度原点に帰る必要があると考えます。それは、今の組織内で営まれる業務全体を包含し、ITが果たすべき役割、その結果見直すべきポイント、リスク等、バランスを取って対処していくことが求められます。 今、ITなくして業務は成り立たなくなってきました。ITそのものは経営状態安定には必須です。決して優先度を落とすことなく、適切に判断することが必要です。一方で、ITを絶対的なもの・完璧なものであると信望・過信することは非常に危険です。なぜなら人が作成したものであるため、入れ替わりの多い人財で作成されたITは完全な統制を保証できないからです。 事故が起きるときは起きます。事故が発生したときに如何に対処できるか、IT運用に係るきっちりした段取りは必要です。段取りはマニュアルを整えておけば大丈夫、という思い込みが多いのも事実ですが、それも大きな誤解です。

 やはり、IT自体もヒトに対する備えは共通です。ITの仕組みだけではなく、ITを利用・活用するヒトへの教育、組織における理念の共有も必要です。前向きなヒトの育成が備わることで最適化されたITはより一層効果が上がることは確実です。

 ITベンダーの中には、自社の利潤追求に比重を置きながら、顧客ニーズやシーズに耳を傾けずに自社のソリューションやハードウェアを強引に売りつけるケースも目立ちます。 モノによってはIT費用の一回の投資で何千万円という高い買い物になることが必然的になってきました。

一方で、ITを一回入れたからと言ってそれが未来永劫利用できるものではありません。減価償却やベンダー側サポート体制を考慮したライフサイクルを考えれば5,6年が限界です。

 このように考えると、同じ金額で同じ年数を利用する場合は自ずと密度の濃い利用方法を考えなければならない、ということが一目瞭然とお分かりいただけるかと思われます。

 IT自体をライフサイクルという起点とした考え方に基づき、適材適所に目線を向けることに共感いただけました企業様には全力を尽くすことを惜しみません。